大阪府の帰国生高校入試
帰国生の高校入試、関西御三家の同志社国際高校、立命館宇治高校、関西学院千里国際高校は、大学の附属校なので、海外の現地校やインターナショナルスクールのように、主体的な学びができ、海外との交流もあり楽しく充実した高校生活を送れます。
その一方、ほとんどの生徒が附属大学に進学するため、他大学への受験に対応できる授業は実施していません。
国公立大学への進学を目指したい、または高校に入学する時点で大学まで決まってしまうのに抵抗を感じる場合は、他の学校も視野に入れておきたいですね。
また、帰国生がたくさんいる学校ではなく、普通の日本の学校で学びたいという声も実はよく聞きます。では、大阪府の帰国生入試では、どんな学校を受験できるのでしょうか?
大阪府公立高校の帰国生対象入試とは?
海外から帰国した生徒の入学者選抜実施校は15校
大阪府では以下の15校で帰国生の入学選抜が実施されます。大阪は選択肢の幅が広いです。帰国生を対象とした入試は2月中旬に実施されます。
一般入試の合格基準偏差値を見てみると千里高校は偏差値65 箕面高校の偏差値64 和泉高校の偏差値64 住吉高校の偏差値62で、国公立大学や難関私大への合格者が多い学校です。
帰国生入試で難関校を受験できるのはありがたいです。
理系進学も可能
帰国生入試で受験できる学校は英語に特化しているイメージがありますが、住吉高校、千里高校、泉北高校では総合科学科も受験できます。住吉高校・千里高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されている理系に特化したコースです。
得意な英語はもちろん、理科、数学を磨いて理系の大学へ進学することもできます。
海外から帰国した生徒の入学者選抜の出願条件は?
出願資格を確認してみると、
・令和5年3月に中学校若しくはこれに準ずる学校、義務教育学校又は中等教育学校の前期課程卒業又は修了する見込みの者
・外国において継続して2年以上在留し、帰国後2年以内の者
とあり、1校のみ出願できます。2年以上在留で帰国後2年以内なので、中学2年生の最初に帰って来て丸2年日本の中学校で学習していても帰国子女特別選抜を受験することができます。行きたい学校がある人は是非利用しましょう。
帰国生入試の学力検査について
大阪公立高校の帰国生入試では、英語、数学、面接のみで学力検査が行われます。国語・理科・社会が必要ないのは帰国生にとっては嬉しいですね。
千里高校や和泉高校もB問題で受験できる
大阪府公立高校入試問題の難易度は(A)基礎的問題(B)標準的問題(C)発展的問題と3種類ありますが、帰国子女特別選抜入試では(B)標準的問題での受験となります。
内容については、大阪府公立高等学校 入学者選抜実施要項に以下のように記載されています。
(B)標準的問題
数学 -「数と式」「図形」「関数」「資料の活用」の基礎的・標準的な事項についての理解を問う問題を中心に出題する。
英語 -〔筆答〕基礎的な語彙・文法についての理解を問うたうえで、基礎的・標準的な内容の英文を読み取る力を問う問題を中心に出題する。
〔リスニング〕 自然な口調で話された英語からその具体的な内容や必要な情報を聞き取る力を問う問題を中心に出題する。
千里高校や和泉高校の一般入試では、(C)発展的問題を解きますし、国語、理科、社会も受験しなければいけません。英語、数学だけ、しかも(B)標準的問題で受験できるのは帰国生の特権です。
語学資格を取っておこう!
また、一般受験生と同様に、英語の学力検査は外部テスト(TOEFL iBT・IELTS・実用英語技能検定)のスコアで読み替えることが出来ます。
帰国生なら英検2級を持っている人は多いですから、当日のテストは英語80点を確保できます。現地校やインターナショナルスクールで学んでいたなら、英検準1級を持っている人も結構いますよね。その場合は100点換算されます!!
外部テストで事前に高いスコアが取れている人は数学のみを対策すればいいわけです。そのためにも海外滞在中に積極的に英語の資格試験を受けて、級やスコアを上げていきましょう。
同志社国際高校や立命館宇治高校の受験を視野に入れている方も、英検準1級を取っていれば推薦入試で受験できる可能性が広がります!
自己申告書、成績は点数化されない
合格者の選抜は、学力検査の成績及び面接の評価を組み合わせた総合判定により行われます。
これまでの成績の報告書を提出する必要がないのは、理科と社会のキャッチアップが大変で内申点が取りにくい帰国生のことを考慮してくれているのでしょう。
面接については、事前に提出する自己申告書に基づき日本語で行われることとなっています。自己申告書の対策もしっかりとしておきたいです。
帰国子女枠の入試はお得??
一般の生徒は5科目入試なのに、帰国生入試は2科目です!!一般入試ではC問題(発展的問題)で受験する和泉高校や千里高校を、数英の2教科で、B問題(標準的問題)で受験できるのは、かなりお得と言えるでしょう!!
海外現地校やインターナショナルスクールの数学は考え方や論理がメインで、計算は単なる作業として電卓を使うことも多いですが、日本の数学はあくまでも手計算が基本です。大阪府の公立高校への進学を考えるなら、海外在住時も日本式の数学を継続して学んでおきましょう。