先日ご相談を受けた方は小学校の途中まで日本人学校に在籍し、引っ越しをきっかけにインターナショナルスクールに通い、再び日本人学校に転校することになりました。
「今、中学2年生なのですが、高校から日本の学校で学びたいと本人が希望していてます。
中学卒業資格も必要なので、中2の3学期から日本人学校に転校するのですが、久しぶりの日本人学校で授業についていくのは大変だと思っています。何から手をつけるべきでしょうか?」
とのご相談でした。
早速、カウンセリングでお母様と本人(T君・・仮名)にお話を伺いました。
近くに補習校もなく、日本語での学びは家庭で教科書を読んでいる程度だそうです。興味のあることなら(例えば歴史など)日本語の本を読むのも好きなので、漢字は読めるが書くのが苦手、とのことです。
3学期開始まであと3カ月ほど
インターナショナルスクールは宿題も少なく、そこまで忙しくないので、転校のために準備する時間は取れるそうです。そこで、3カ月で何ができるのか、何をしてほしいか提案しました。
年齢相応の語彙力を身に着けよう!
日本語での日常会話は普通にできるし、好きな歴史の本は日本語で読んでいるけれど、好きなジャンル以外の読書はしていないはずです。
まずは国語の教科書を毎日音読することをお勧めします。小学校5年生からインターナショナルスクールに通い始めたなら、小学校5年生の国語の教科書からスタートします。
読めない漢字を確認しよう
漢字は読めるけど書けないと言っていましたが、多分読めない漢字があるはずです。例えば「農耕」「喜色満面」など、普段使わないような言葉も5年生の教科書には出てきます。日本国内の子どもたちも、日常会話で使わない言葉は学んで覚えます。読めない漢字や言葉の意味を確認しながら毎日音読をしましょう。
今回は時間がないので、読めない漢字はお母さんかお父さんに教えてもらい、意味は自分で調べることをお勧めしました。小学5年生の教科書が終わったら、6年生、中学1年、中学2年と学年を上げていきます。
余裕があれば古文や漢文の基本を確認!
中学1~2年生の国語では、古文・漢文を学びます。最初に国語の教科書を音読しながら、読めない漢字や言葉の意味を確かめようと書きまいたが、古文や漢文は音読も難しいはずです。
まずは歴史的仮名遣いや、係り結びなどの基本的な知識から身に着けていきたいです。教科書だけでは難しいので、参考書などの補助教材を並行して使った方が理解しやすいです。
枕草子や竹取物語など、定番の古文の内容も知っておきたいです。
ちなみに、今年6月の編入試験で立命館宇治中学に合格した生徒は、合格後に古文のキャッチアップ授業を進めました。基本知識を入れながら読解も進めていき、中学1年生レベルの古文漢文の基礎は身に着けました。学年相応の内容までレベルアップしていく予定です。
理科と社会で何を学んでいるか、知っておこう
インターナショナルスクールで化学や物理、生物など、同じような内容を英語で学んでいても、日本の学校はアプローチが違うことがあり、混乱するお子さまもいます。
まずは日本語での理科・社会の用語を知っておきたいです。Tくんは歴史が好きだと言ってましたが、多分戦国時代など興味がある時代以外の知識は少ないんじゃないかな?と推測できます。
理科や社会は教科書の書き写しをお勧めします!漢字も書き写すことになりますし、音読するよりもスピードは落ちるので、内容をゆっくり確認しながら進められます。
理科や社会を覚えるだけの時間がないですし、日本人学校の生徒たちも定期試験前に覚えては忘れるを繰り返しているので、暗記まで進めなくても大丈夫です!!
毎日15分、など時間を決めて毎日決まった時間にタイマーで時間を計って取り組むのがコツです。