【国語力コース】小学6年生Nくんの取り組み

海外滞在時はインターナショナルスクールに通い、帰国後も国内のインターナショナルスクールで学んでいる小学6年生のNくんは本帰国後も、ずっと「国語力コース」で学んでいます。

「国語力」というコース名ですが、様々な知識を増やし思考力を上げる授業を心がけています。国語力と同時に思考力を上げ、知識を増やしているNくんの学びを紹介します。

国内外のインターナショナルスクールや、海外の現地校で学ぶ小学生のご家庭に参考にしてもらえればと思います。

毎回の授業は二部構成

毎回の授業では、国語の問題集を使って物語文、論説文、詩などの読解や、主語述語、修飾語など文のしくみや漢字の成り立ち、慣用句など、「国語」を学びます。そして、授業の終わりにその時々に必要なことを取り入れています。

日本語で論理的に考える

インターナショナルスクールや海外の現地校で学んでいると日本語は日常会話だけになりがちです。Nくんは帰国後すぐに日本語で論理的に考えるため、世界には色々な問題があることを知るために「こどもSDGs」という本を使って学びました。まだSDGsがほとんどテレビなどでも取り上げられていない頃でした。

相対的貧困と絶対的貧困

ある日の授業で「1日200円で生きる人が世界には7億3666万人います。」

というテーマでNくんと講師が話し合いました。

「200円で、どうやって1日生活できると思う?Nくんならどうする?」と講師が質問しました。

Nくんはまだ4年生でした。自分で日用品を買ったり、食事代を払ったりすることはありません。生活・・・と思いを巡らして、

「服がないと生きられないから、まずユニクロでズボンを買う」

と答えてくれました。なぜズボンだったのかは分かりませんが、

「じゃあ、実際にズボンを買いにユニクロに行ってみよう。お母さん、一緒にユニクロでズボンを見てください。」

と担当講師が授業終わりに、Nくんのお母さんに報告をしました。実際にユニクロに行ってくれ、翌週の授業では、

「200円では何も買えなかった。ごはんも食べなくちゃいけないし、日本では1日200円で生きるのは無理だと思う…。」

「そうだよね。日本では1日200円で暮らすのは無理だね。でも、日本でも貧困は問題になっているよね。」

「うん。日本にも貧困問題があるのは分かる!!」

ここでNくんは相対的貧困と絶対的貧困の違いが分かったようでした。

出典にも注目

Nくんは文章を読むときに、資料まで音読してくれます。そこで、

出典:世界銀行

出典:OECD

出典:ユニセフ

なども一緒に確認しています。

資料の見方を学びながらメディアリテラシーの感覚も身につけていきました。

日本の地理や歴史、文化も学ばせたい

カナダ系のインターナショナルスクールで学ぶNくんは学校の授業で、「カナダの歴史」を学んでいます。「こどもSDGs」で世界の色々な問題について学びましたが、日本の小学生が普通に学んでいる日本の地理や歴史も知ってほしいです。でも、社会ではなく「国語力」の授業なので、「おはなし推理ドリル」(学研)を読みながら日本の地理や歴史に触れていきました。

本の内容について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

百人一首事件ファイルで和歌を学ぶ

半年ほどかけて「おはなし推理ドリル」で文章読解、謎解きをしつつ、日本の地理や歴史について学んできました。都道府県事件ファイル、歴史事件ファイルと読み進めてきて、まだ飽きずに楽しんでくれているので、来週からは「百人一首事件ファイル」を扱います。

和歌で、はなといえば桜のことが多いけれど、紀貫之の時代は、はなと言えば梅だった。

昔は十二支で時刻方角を表していて、辰巳は南東を指す。

など、中学生や高校生が学ぶことも文章中に出てきます。解答とアドバイスのページでは、「天智天皇ってどんな人?」「藤原定家がまとめた百人一首と、百人一首かるた」などのコラムもあるので、Nくんにとっては新しいことをたくさん知る機会になりそうです。

おはなし推理ドリルシリーズは、子どもが面白がってどんどん謎解きをして読み進めがちですが、大人が一緒に読んで、解説を加えながら知識を増やしていくと、学習効果が高いテキストです。

日本国内外のインターナショナルスクール、海外の現地校で学んでいる小学生には、日本の文化に触れ、日本のことを学ぶのにお勧めです。