京都府の帰国生高校入試
帰国生の高校入試、関西御三家の同志社国際高校、立命館宇治高校、関西学院千里国際高校は、大学の附属校なので、海外の現地校やインターナショナルスクールのように、主体的な学びができ、海外との交流もあり楽しく充実した高校生活を送れます。
その一方、ほとんどの生徒が附属大学に進学するため、他大学への受験に対応できる授業は実施していません。
国公立大学への進学を目指したい、または高校に入学する時点で大学まで決まってしまうのに抵抗を感じる場合は、他の学校も視野に入れておきたいですね。
また、帰国生がたくさんいる学校ではなく、普通の日本の学校で学びたいという声も実はよく聞きます。では、京都府の帰国生入試では、どんな学校を受験できるのでしょうか?
京都府公立高校の帰国生対象入試とは?
帰国子女特別入学選抜実施校は3校
京都で高校受験をする帰国生にはどんな選択肢があるのでしょうか?公立高校では2月中旬に海外勤務者帰国子女特別入学選抜があります。毎年一般受験の前期選抜と同じ日に実施されます。
普通科では鳥羽高校と西舞鶴高校で募集人員が5人以内 専門学科では嵯峨野高校の京都こすもす科で募集人員が5人以内です。
レベルが高めの学校に帰国子女特別選抜がある
- 前期選抜入試の鳥羽高校の合格偏差値目安 59
- 嵯峨野高校京都こすもす科の合格偏差値目安 67~68
京都ではレベルの高い公立高校に帰国子女枠の入試が用意されていますし、どちらの学校も国公立大学や難関大への合格者を出しています!
帰国子女特別選抜の出願条件は?
出願資格を確認してみると、
・海外勤務者の子女であること。
・外国において引き続き1年以上在留していたこと。
・中学1年生の2月1日以降に帰国したこと。
これは結構ハードルが低いですね。中学1年生の終わりに帰国した場合、丸2年間普通の生徒と同じように日本国内の学で授業を受けられるのに、帰国子女特別選抜に出願できるんです。
帰国子女枠の入試はお得??
鳥羽高校は普通科前期選抜を低い倍率で受験できる
鳥羽高校の帰国子女特別選抜では帰国生用の特別な問題ではなく、普通科前期選抜の共通問題を解きます。
英数国の3科目入試と面接です。つまり、一般生が受ける前期選抜と全く同じ入試です。そう考えるとお得感はなさそうですが、過去の入試結果を見てみると、
- 令和2年度入試 受験者2人
- 平成31年度入試 受験者1人
- 平成30年度入試 受験者2人
- 平成29年度入試 受験者4人
- 平成28年度入試、受験者3人
※令和3年度入試以降の帰国生入試については教育委員会のHPでデータを見ることはできません。
鳥羽高校は大体オール4くらいの子たちが志望する学校ですし、令和4年度入試一般国内生の前期選抜は定員24人に対して受験者数が110人、4.58倍の高倍率でした。
帰国子女特別選抜の倍率は、国内生よりもずっと低いはずです。帰国子女特別選抜がおススメです。
帰国生なら嵯峨野こすもす科を3科目で受けられる!
嵯峨野高校こすもす科は独自検査問題なので、帰国子女特別選抜の受験者も、こすもす科の問題を解きます。相当レベルの高い難しい問題が出題されます。
一般受験生は英数国理社5科目入試ですが、帰国子女入試は3科目(英・数・国)ですみます。これはかなりお得!と言えます。
難問続出の社会を免れるのはラッキー!
帰国生の場合英検準1級や2級レベルの英語力があることも多いですよね。それなら英語は楽勝です。数学と国語だけに絞って対策ができます。
特に社会は教科書の隅の隅、細かいところまで知っていることが前提の試験で苦戦する受験生がたくさんいます。
去年の合格者は社会の対策をしていて、お腹をこわしてしまうほど、ストレスだったようです。その対策がいらないなんて、本当にラッキー!!です。
募集人員以内でも全員合格とは限らない
では、過去の倍率はどうでしょうか?
- 令和2年度入試 受験者9人 合格者4人
- 平成31年度入試 受験者4人 合格者3人
- 平成30年度入試 受験者3人 合格者3人
以前は、もしかして募集人員以内なら、全員合格できるのかな?とも思っていましたが、平成31年度入試の結果で、「募集定員」ではないことがはっきりしました。
嵯峨野高校こすもす科に入学して、周りのみんなについていける力があると判断された場合のみ5人以内で合格者を出すのです。しかも令和2年度入試では倍率2倍以上になっていますね。決して楽に入れるわけではありませんが、一般の受験生に比べて理科社会がいらないのは、やはりお得だと思います。
調査書は点数化されない
成績の報告書も一般の生徒同様に提出しますが、帰国直後は成績が低い受験生もいるでしょうし、色々な国の成績書を公立高校が点数化するのは難しいだろうと思います。報告書は参考程度で、当日勝負となるのでしょう!
京都府の公立高校受験を選択肢に入れるには、海外にいるときから、日本語での学習をしっかりと進めておくべきですね。また、嵯峨野高校を志望するなら教科書レベルではなく、日本国内で学ぶ中学生同様に塾や通信教材などで対策をしておきましょう。