来年度の帰国生入試に向けて、英検準1級の対策をしたいというお問い合わせが増えてきました。
同志社国際中学をA選考専願で受けるため、
立命館宇治中学を国際自己推薦入試で受けるため、
語学資格の基準をクリアしておきたいです。小学生にとって英検準1級はなかなか厳しいです。でも、小学生でも英検2級はすんなり合格できることが多いので、英検準1級が推薦基準になるのです。
誰もがぶつかる語彙の壁
英検準1級にチャレンジする小学生にとって、一番の課題は「単語力」です。大問1の選択肢の単語が4つとも分からない、ということもよくあります。
アメリカで現地校に通っている生徒が
「英検のテキストを学校に持って行って、ネイティブの友達に見せても、みんなそんな単語の意味知らないって言ったのに、なんでこんな単語覚えなくちゃいけないの?」
と言ったことがありました。気持ちはよ~く分かります。
「そうだね。大変だよね。でも、ネイティブの友達が知らない単語を知ってるとカッコイイから、一緒に頑張って覚えようか!」
と、講師に励まされて何とか頑張って覚えてくれました。
単語帳を使ってもうまくいかない
英検対策用の単語帳を買ってきたけれど、なかなかうまくいかないと多くの方から相談されてきました。
自然に英語を身に着けたお子さまにとって、単語帳で英語を覚えるのは苦痛でしかありません。大学受験生には、「つべこべ言わずに、単語帳の単語を覚えること!」と言いますが、小学5年生・6年生は入試と言われても現実味がないですし、準1級レベルの単語となると、英語の意味が分からないのはもちろん、日本語の意味も分からないことが多いので、やる気がわきません。
英検2級レベルの単語は大丈夫?
英検2級に合格したお子さまでも、知らない単語を推測して何となく正解して合格していることが多く、実は英検2級レベルでも知らない単語が多いことがよくあります。そんなお子さまの場合は2級レベルの単語帳からのスタートがお勧めです。無理せず進めていきましょう。
単語帳での勉強は難しいと言いましたが、多くの文章に触れて、自然と語彙を増やす時間の余裕はありませんよね。英検対策用の単語帳の中で、旺文社の「文で覚える単熟語」は抵抗が少ないようです。
文で覚える単熟語がお勧めの理由
英単語と日本語訳がずらっと並んでいる単語帳が一般的ですが、「文で覚える単熟語」では短い文章を読みながら文中に出てくる単熟語(英検準1級に出題される単熟語)を学びます。お母様、お父様世代なら、大学受験のときに「速読英単語」を使った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?あんなイメージです。
テーマ別に文章が載っている
小学生が英検準1級に挑戦するときに、文章内容の背景知識を知らないことも大きな壁になります。英検準1級は大学生以上の受験者を想定しているので、その半分くらいしか生きていない、経験を積んでいない子供たちにとっては知らないテーマの文章もよく出てくるのです。
文で覚える単熟語では、文章が5つのテーマに分類されて載っています。
- 自然・環境
- 医療・テクノロジー
- 文化・歴史
- 教育・心理
- 社会・ビジネス
色々な社会問題や知識を学びながら英単語を覚えられる
自然・環境の最初の文章 “Stopping the Desert” では desertification(砂漠化)という単語が出てきます。
「砂漠化ってどういうこと?」と言う小学生は多いです。そこで砂漠化がなぜ起こるのか、解決策はないのか?英文を読み進めながら、sterile(不毛の)、devour(~を滅ぼす)のような単語も確認していきます。砂漠化を理解しながら、関連した単語も知り、効率よく学べます。さらに知りたくなってインターネットで砂漠化の英文記事を調べたお子さまもいます!
また、知らなかった単語は辞書で調べてノートに例文を書いて、単語の意味を覚える宿題を出します。日本語で意味を覚えても、英語で覚えてもどちらでも問題ありません。
旺文社のページで文で覚える単熟語の中身を少し見ることができます。
語彙が上がればReadingは一気に解きやすくなる
語彙力が上がれば、英検の問題で正解を出すのは易しくなります。英語を英語のまま理解する帰国生たちは英文を読むスピードがあるので、時間が足りなくなる心配はなく、じっくり選択肢から正解を選べるからです。
Readingパートで伸び悩んでいたら、「文で覚える単熟語」を試してみてください。
英検ライティングも小学生にとっては大変なのですが、ライティングについてはまた別の機会に書きます。
※英検準1級のライティングについても書きましたので、リンクを貼っておきます。