海外で生活していると、さまざまな事情で急に本帰国が決まることがあります。帰国後の学校選びや受験準備を考え始めたとき、意外と困ることの一つが、英語力を証明する資格を持っていないという問題です。
先日も、急な帰国が決まったご家庭から問い合わせがありました。アメリカ生まれ、アメリカ育ちのお子さんでしたが、これまで英語の資格を受けたことがなく、受験できる入試方式が限られてしまいました。
そこで今回は、海外生活中にぜひ取り組んでおきたいことの一つとして、英検などの語学資格の取得についてお伝えします。
英語ができることと、英語力を証明できることは別
海外の学校で長く学んでいると、英語で授業を理解し、教科書や資料を読み、自分の考えを英語で文章にまとめられるようになります。

日常会話はもちろん、学校生活で必要な英語力も十分に身についているため、英語が当たり前のものになっていて、英検などの資格試験を一度も受けたことがないというケースも珍しくありません。
でも、実際に英語を使いこなせることと、その英語力を客観的に証明できることは別の問題です。
たとえば、同志社国際中学のA選考専願、同志社国際高校の特別推薦入試、立命館宇治中学・高校の推薦入試では、出願の条件に英語資格の基準が設けられています。
同志社国際中学のA選考専願を例に、必要な英語資格を見てみましょう。求められる英語力の水準は高く、計画的な準備が必要です。
Web登録出願時に次の①~⑤の条件のいずれかを満たす必要があります。
①TOEFL iBT(Home Editionを含む)68点以上または4.0以上
②実用英語技能検定 準1級以上合格(準1級については、S-CBTを含む)
③TOEIC Listening&Reading 730点以上
④ケンブリッジ英検(for Shoolsを含む)B2 First(FCE) 160点以上
⑤IELTS(AcademicまたはGeneral)5.5以上
※実際に受験する際は、必ず最新の募集要項で対象となる試験やスコア、提出条件をご確認ください。
帰国が決まってからでは、間に合わないことも
「帰国はまだ先だろうから、帰国が決まってから英検を受ければいい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
でも、帰国が決まってから英検やTOEICなどを受験しようとしても、希望する試験日程に申し込めるとは限りません。結果発表や証明書の発行を待っているうちに、志望校の出願期限を迎えてしまう可能性もあります。
帰国の時期を正確に予測することは難しいからこそ、少しずつ準備を進めておくことが大切です。
英検準1級はハードルが高い
学校や日常生活で、英語を問題なく使えているからといって、必ずしも英検などの試験で求められる力が身にいているとは限りません。英検2級までは比較的順調に合格できても、準1級では思うように得点できないという話をよく聞きます。

英検準1級では語彙の難度が大幅に上がり、長文読解やライティングなどにも相応の対策が必要になります。合格まで何度も挑戦するお子さんもいます。
だからこそ、受験が近づいてから慌てることのないよう、目標とする級を決めて計画的に取り組んでいくことをお勧めします。
一時帰国の機会を、英検受験に活用しよう
海外に住んでいると、受験できる試験会場や日程が限られることもあります。「英検準1級のS-CBTは争奪戦です!」とおっしゃる保護者さまもいました。そのため、日本への一時帰国を旅行や家族との時間を楽しむだけでなく、英検を受験する機会として活用してはいかがでしょうか。
一時帰国の際は、受験可能な日程や会場を早めに調べて、余裕を持って申し込むことをお勧めします。また、目標の級に一度で合格できない可能性も考えて、必要に応じてS-CBTなどを複数回受験できるよう、スケジュールを検討しておくとよいでしょう。
いつ帰国することになっても困らないように
海外生活で身につけた英語力は、お子さんにとって大きな財産です。その力を帰国生入試でも生かせるように、実際の英語力を伸ばすことに加えて、それを証明できる資格を取得しておくことも大切です。
帰国の時期は、ご家庭の事情によって突然決まることもあります。だからこそ、「いつ帰国することになっても困らないように、今できる準備をしておこう」という意識を持っていただければと思います。
