帰国生の高校入試&編入試験

帰国生の高校入試では国内一般入試と同じ学科試験を課す学校が多いです。また、一部の私立高校では、推薦基準を満たしていれば面接のみ、小論文のみの入試も実施しています。

帰国子女受験に向けて正確な情報収集を!

近年は毎年のように入試要項変更(試験日や定員等)が行われるため、正確な情報をいち早く入手しなければなりません。

受験候補の学校のホームページをこまめにチェックをしておいてください。

また、一時帰国の時期に合わせ、6月~8月にオープンキャンパスや学校説明会を実施する学校があります。コロナの影響で定員を設定している学校が多いので、早めに申し込みを済ませましょう。

スケジュールが合わない場合は個別で対応してくれる学校もありますので、是非問い合わせてみてください。

昨年度からオンラインオープンキャンパスやオンライン説明会も増えました。時差はあるものの、海外からも気軽に参加できます。受験する可能性のある学校であれば積極的に参加して情報収集をしておきましょう。

帰国子女の高校入試【出願資格】

■海外での年数・・・1年以上

■帰国後の年数・・・3年以内  

学校によって異なりますが、上記が一般的な基準となっています。

志願校の出願規定に関して、微妙な場合は必ず学校に連絡をして確認してください。基準日の設定もまちまちですので、併せて確認しましょう。

また、「国の内外を問わず学校教育における9年の課程を修了または修了見込みの者」のように受験資格を設定している学校が多くあります。

しかし、現地校やインターナショナルスクールに通う場合は、日本での修了月との違いから、条件を満たす前に受験期がきてしまうというズレが生じます。

以下のような対処法がありますが、それぞれにリスクもあります。

(1)早めに帰国して公立中学校に編入し、3月末日までに修了見込みとする。

→日本の公立中学に馴染めるか? 帰国してから受験までの期間も短い。

(2)海外の全日制日本人学校に編入し、3月末日までに修了見込みとする。

→近隣に日本人学校がないケースも。あったとしても、いつでも編入できるとは限らない。

(3)海外の学校をそのまま卒業し、日本の高1の途中で編入する。

→編入学試験は毎年必ず行っているものではないため、入試が実施されない可能性がある。

◇受験資格の認定

学校側が志願者の願書を受け付ける前に、書類や面接によって志願者の資格審査を必要とする場合があります。

私立高校はもちろん、公立高校でも必要な場合がありますので必ず確認をしておきましょう。

帰国子女の高校入試【入試時期】

帰国枠での入試を設定している学校では一般入試より早い11月から入試が実施されます。

関西圏では立命館宇治高校と関西学院千里国際高等部が11月末、同志社国際高校の入試が12月に実施されます。

それぞれの学校で2月入試もありますが、立命館宇治高校は同じ入試方式では再受験ができませんのでご注意ください。

公立高校の場合は帰国生入試を2月に実施する都道府県が多いです。3月にも帰国生入試を実施する都道府県もありますが、大阪や京都は帰国生入試は2月のみです。

帰国子女の高校入試【入試科目】

国内の国公立高校の入試科目は、国語・数学・英語・理科・社会の5科目ですが、帰国生入試で5科目を課している学校は、ごく少数の高校に限られます。

3科目(国・数・英)入試

多くの国公立・私立高校の大半の帰国生入試では「国語・英語・数学」の3科目の学科試験や面接によって選考されます。

大坂教育大学附属池田高校では帰国生も一般国内生徒と同じ問題を受験しますが、帰国生としての配慮はしてくれます。もともと古文や漢文の出題が少ないのもありがたいですね。

科目受験の場合は、日本人学校の生徒が有利になります。補習校だけの学習では不十分なので、インターナショナルスクールや現地校に通っている方は早いうちから準備を始めてください。

「(日/英)作文・面接」「書類審査・面接」方式

帰国生受け入れを積極的に行う学校でよくある試験方式です。

現地の教育制度やカリキュラムで学習している生徒にとっては、現地校の学習に専念できるという点で受験しやすいですが、そのため応募が集中するので入試の倍率は高く、現地校・インター校の学校成績の基準も高くなります。

また、同志社国際高校や国際基督教大学高校の推薦入試には英語の資格(英検準1級,TOEFL<iBT>79以上など)を出願資格として設定していますので、語学資格を計画的に受験することが必要です。

帰国生の受験対策

出願書類の準備は早めに!

出願に必要な書類の中には、それを受け取るまでに手配をしなければならないもの(海外在留証明書、成績証明書など)もあります。

出願時にバタバタすることのないよう、早め早めの準備が必要です。特に現地校の先生やインターナショナルスクールの先生にお願いするときは、こんなふうに書いてもらいたい!とお願いするのも一つの手です。

頑張ったことについて書いてもらい、面接でその話題がでるようなしかけ作りも大切です。

英語を武器にしよう!

受験に必要なのは実用的な英語スキルではなく日本式の受験に対応し得る「英語力」です。

特に帰国生には国内一般生よりも高い英語力が要求されます。英文法を意識することなく、英語を書いたり読んだりしがちですが、受験では正しい英語を使えなければ評価されません。文法の学習はしておくべきです。

また、海外滞在中に英検・TOEFL・TOEICなどの英語資格を取得しておくことも大事です。

英検準1級レベル以上を取得しておくと受験校の幅が広がります。

海外では英検を受験できるチャンスが限られるので、一時帰国中のCBT利用なども含め、計画的に受験しましょう。

現地の学習はもちろん、日本式の学習も大事!

国内一般生入試と同じく、帰国生入試でも滞在国での学校の成績は重要です。

立命館宇治高校では日本でいう「オール4」くらいが受験生の平均値だそうですから、成績を落とさないように現地校の授業に対する学習は手を抜かずにしてください。

また、帰国生入試の学科試験では国内一般生と闘える学力が必要となります。

特に帰国生の場合は国語の語彙が少なく、海外滞在期間が長い場合は日本の慣習や行事に疎い傾向がありますので、その補強も必要です。

そして、数学の計算でも海外とは違い、手計算がメインとなりますので日本の中学生と同様の練習が必要です。

考え方は分かっていて、正しく立式できているのに計算ミスで失点する帰国生は多いです。計算スピードと正確さは必要なので、日ごろから計算演習は重ねておきたいです。

面接対策

帰国生入試には必ずといっていいほど面接試験があります。

本人のみの場合、保護者同伴の場合、複数グループの場合、英語か日本語かなど形式も様々ですが、必ずあらかじめ対策をしておきましょう

面接質問例

・なぜこの学校を志望するのか

・滞在国で頑張ったこと・印象に残っていること

・滞在国のいいところ・悪いところ

・滞在国で通っていた学校と日本の学校を比べてどうか  など…

面接官が期待しているのは「海外生活で得た体験や経験からどんな成長をしたのか、何を学んだのか、それをどう活かすのか」ということです。

滞在国と日本の「文化・慣習の違い」に関する質問もよくあるようです。滞在国の慣習などはその背景までを調べてまとめておきましょう。

帰国生受験の可能性がある場合は、日ごろからボランティア・スポーツ・芸術活動に積極的に参加し、海外経験で語れるエピソードを作るようにしましょう。

小論文(英語・日本語)対策

エッセイ(作文)についても面接と同じく、海外生活で得た体験やそこで得た考え方を問うものが多く、受験生の語学力、文章構成力をみられます。

エッセイ問題例

What are the good points and bad points between conversation and creativity? Explain your ideas.

過去を振り返ることの良い点と悪い点は何ですか。あなたの考えを述べなさい。

同志社国際高校2019年度2月入試過去問題

小論文では論理的な思考力ができ、正しい構成の文章が書けるかを見られます。自分の経験を踏まえて説得力のある文章を書けるように練習することが必要になります。過去問題などで練習を繰り返し、時間配分などにも慣れていきましょう。

おわりに

帰国後は、言葉も生活様式も価値観も違う環境で生活をしなければならず、高校の科目入試では、国内の一般生と同様の試験を受けなければならないのですから、現地校やインターナショナルスクールの学習と並行して日本語での学習も進めなければいけません。

でも、子供の時期に海外で生活をする機会は誰にでも手に入るものではありません。日本人の感性に加え、語学力や海外での経験、そこで得た広い視野を持った「帰国生」の可能性は無限です。

高校入試を一つのステップにしてより良い将来につなげていただきたいです。