今回は急な帰国が決まることって、本当にあるのだなあ・・と驚いたIさんの編入試験合格までの道のりをご紹介します。
Iさんについて
フランス在住のIさんから問い合わせがあったのは3月初めです。日本でいうところの中1入学前の時期ですね。小4からフランスに住んでいて、当時の予定では帰国は来年の冬くらいになるかな?だから、中2の編入試験を受けることになるかも、とのことでした。
編入試験準備として、国語と数学の学習を進めることになりました。しかし、フランスと日本の時差は7時間。平日にIさんが学校から帰って来る頃、日本では深夜です。生徒のためにできることは何でもするぞ!とは思っていますが、さすがに深夜1時スタートは厳しい。土曜日と水曜日(フランスでは、水曜日は午前で学校が終わります)に授業をすることになりました。
授業で行ったこと
数学
数学は多くの私立中学で使っている「体系数学」の教科書と問題集で、代数からスタート。
中学で私立編入試験を受ける場合、日本人学校や日本語補習校の進度に合わせて学習していては絶対に間に合いませんし、 配布されている教科書では対応できない ことが多いのです。
志望校がどんな教科書を使っているか、どんなペースで学習を進めているか調べておくことをお勧めします。
国語
国語は現代文と古文を並行して、古文知識を扱いながら読解を進めました。古文も補習校では後回しになりがちですので(中1の9月編入では試験範囲に古文が入らないことが多いですが)きちんと取り組みましょう。
急遽帰国することに
いいペースで学習が進み、夏休みの追加受講の予定も決まった6月初旬に、お母さまから急に「今日、会社からの内辞が出て、8月終わりに帰国することになりました」と連絡が…。急遽、受験対策に切り替えました!!
9月編入試験
中1の9月編入って、そもそも募集している学校も限られています。受験校探しが大変なのはもちろん、急な帰国で帰国後の居住地も定まらない中で受験勉強をはじめました。7月初旬の編入試験まで1カ月ほどしかありません。Iさん本人はもちろん、ご両親も大変だったはず。もう少し会社も考えてくれたらいいのに…と思ってしまいました。
9月編入の試験では英数国の3科目入試、それぞれの中学校の 7月の期末テストの範囲までが、入試の出題範囲 になることが多いです。授業について来れる学力があるかどうか、が問われるのです。帰国生の場合、英語は問題ないでしょうから、国語と数学が重要です。
国語力の高いIさん、古文は中2レベルを、現代文は中3レベルの問題を解いていたので、国語の入試対策は不要な状態でした。しかし、数学は学校に合わせて進めており、入試レベルのものは扱っていなかったため、大急ぎで仕上げなければいけませんでした。
そこで、数学の対策に集中して可能な限り授業増加をして、入試を迎えました。多忙を極める中、いくつかの学校を選び受験しました。その中でもIさんが「この学校に通いたいな」と思った、という 東洋英和女学院中学 の合格通知が届きました。
本当に良かった。おめでとうございます。
9月編入の対策法
Iさんが合格できたのは、直前の1カ月に集中的に受験勉強に取り組んだこと、そして何よりも 春から継続して学習をしていたことが大きかった です。
今回のケースのように、急な帰国になってしまうこともあるかもしれません。そうなったときに慌てて一気に進めることにならないように、私立中学の編入試験を受ける可能性がある人は、 中高一貫の私立校ペースで日々の学習を進めることが大切 です。
そして帰国生入試には英検何級が必要?にも書きましたが、英語の資格試験(中学生なら英検)も取得を目指しましょう。帰国時期があいまいでも、確実な目標を作っておけば、勉強のモチベーションにもなりますよ。