帰国生入試実施校と受け入れ校
国公立・私学を問わず中学入試に帰国生(海外子女)入試を設定したり、帰国生入試は実施しないけれども帰国生受け入れを表明したりしている中学校があります。
【帰国生入試実施校(一部)】
愛知教育大学附属名古屋中学校(愛知)
名古屋国際中学校(愛知)
同志社国際中学校(京都)
立命館宇治中学校(京都)
京都教育大学附属桃山中学校(京都)
東山中学校(京都)
大阪教育大学附属池田中学校(大阪)
アサンプション国際中学校(大阪)
高槻中学校(大阪)
早稲田摂陵中学校(大阪)
立命館守山中学校(滋賀)
西大和学園中学校(奈良)
など…
最新の入試情報を手に入れよう!
入試情報は毎年変わる可能性があるので、必ず最新情報を手に入れておきましょう。
各中学校では6月中旬からオープンキャンパスを実施しています。日程が合わない場合も事前に相談すれば個別対応してくれる学校が多いので、直接問い合わせることをお勧めします。
2020年は新型コロナの影響で海外での説明会は実施されませんでしたが、各学校オンライン説明会で海外からでも気軽に参加できるようになりました!
<学校選びのポイント>
どんな校風か?
各学校の校風はパンフレットや説明会、電話やメールの対応、校舎の外観や生徒の雰囲気など、様々な場面に表れます。
大切なのは保護者様やお子さま自身がその空気を肌で感じ、ここで学ばせたい、学びいたいと感じるどうかです。
中高一貫校が多いので中学校だけでなく高校についてもしっかり検討しましょう。
帰国生の受け入れ体制はどうか?
帰国生の受け入れ方は学校によって大きく変わります。
「受け入れるのみで特別扱いはしない」という方針の学校もあれば、以下のように様々な形でサポートを行っている学校もあります。受け入れ体制も調べておくといいですね。
●帰国子女学級(国際学級)設置…愛知教育大学附属名古屋中学校・京都教育大学附属桃山中学校
●帰国子女のための特別授業がある…立命館宇治中学・同志社国際中学など
どんな教育課程か?どんな進路を考えられるのか?
パンフレットやHPで学校のカリキュラムを調べてみましょう。「ディベートの授業」「海外大学進学の対策授業」など、各学校が力を入れている部分が見えます。
また、将来の進路を見据えるために進学実績を確認する必要もあります。
大学附属の場合には「系列大学に希望の学部があるか」も確認しておきましょう。
どんな教育環境か?教育施設は充実しているか?
中高6年間通うので、学校の立地条件、最寄駅から学校までの通学ルートの環境、所要時間も確認したいです。
特に繁華街に近い立地の学校であれば、朝昼と夕方ではまったく雰囲気が異なることがあります。下校時刻、夕方以降の学校周辺の様子も見ておくと安心です。
また、近年IT機器やセキュリティ設備を充実させた学校が増えています。
図書館をはじめとした教育施設やスポーツ施設も充実してきています。
海外で学んだ芸術やスポーツ活動を継続したい方は、施設もチェックしておきたいです。
帰国生入試について解説!
帰国生入試の受験資格は大丈夫?
帰国生入試で受験する場合には、各中学校で決められた受験資格を満たしている必要があります。
一般的には「海外滞在1年以上/帰国後3年以内」ですが、学校により様々な基準を設定しています。
資格・条件を満たしているかどうか微妙な場合は、個別に対応してくださるので、各中学校に直接問い合わせてみましょう。
英語力は武器になります!
「英語」を試験科目に入れる中学校が増えてきています。
一定の資格所持者に加点をしたり、英語の試験を免除したり、入学金が一定額免除される「英語優遇措置」をとる学校もあり、帰国生入試ではない受験も選択肢として広がりつつあります。
英語圏に住んでいる(住んでいた)方は、英語準1級の取得を1つの目標にされると良いでしょう。急な帰国が決まって慌てることのないよう、計画的に学習していきましょう!
英検準1級対策は時間をかけて取り組みたい
英検準1級は日本国内では主に大学生や社会人が受験します。
小学生にとっては語彙はもちろん、長文の背景知識がなかったり、ライティングのテーマについての知識がなかったり、色々なハードルがあります。
準1級レベルの文章を読みながら、知らなかったことについて調べ学習を並行すると英語だけではなく、様々な知識を身に着けられます。
また、同志社国際中学や立命館宇治中学を受験される可能性があれば、ライティング対策を重ねることで、両校が求めている「論理的な思考力」も高められます。
小学校5年生頃から対策をすると入試出願までに合格できることが多いです。早めに準備をしていってください。
英語エッセイや日本語小論文対策も長期的に対策を
英語エッセイや日本語小論文を書く際には、一定のルールに合わせて(構成力)、なるべく同じ単語や表現を使わず(語彙力)に自分の考えを書く力(表現力)が必要となります。
最初は苦労しますが、対策を続けていくうちに、英語の文法も正しく理解するようになり、驚くほど進歩する生徒が多いです。
帰国が急に決まり、2カ月ほどで仕上げた生徒もいますが、親子ともども疲れて途中で投げ出してしまいそうになったとのことでした。余裕をもって準備しましょう。
出願・受験時期は一般より早い!
帰国生を積極的に受け入れている多くの学校は、中学一般入試統一日以前に帰国生独自の入試を実施しています。
多くの学校では11月上旬から年内に帰国生入試を実施します。
1.学科試験
帰国生入試の場合「国語・算数」または「算数・英語」の2科の設定をしている学校が多いです。また、帰国子女枠の「過去問」は手に入りにくいので、学校説明会などでレベルやテストの内容を問い合わせてみてください。
2.面接試験
ほとんどの帰国生入試には面接試験があります。保護者同伴面接が多か、英語か日本語かなど方式は様々です。
- なぜこの学校を志望するのか?何がしたいか?
- 長所・短所
- 滞在国で頑張ったこと・印象に残っていること
- 滞在国のいいところ・悪いところ
- 滞在国で通っていた学校と日本の学校を比べてどうか
このような質問について答えられるように準備をしましょう。
3.エッセイや作文の入試
「エッセイ」「作文」の入試では、海外での体験や思考力が問われます。
(作文問題例)あなたが日本に帰国するまで滞在していた国で、あなたが接したその土地の習慣や行事などを具体的に挙げ、それについてあなたの感じたことを600字以内で述べましょう。 (大妻多摩中学校)
「日本とは違う」と感じたことや海外に行って戸惑ったことなどについては、その背景を調べるとよいでしょう。
受験での面接や作文にもつながります。
「海外での体験」(できるだけ詳しく)と「それを通して感じたこと・考えたこと」については日ごろからまとめておきましょう。
「その経験が今後の自分にどう活きるのか」についても考えておくと役立ちます。
日本語(国語)に触れることも大事!
帰国生入試の「作文」「日本語小論文」では受験生の日本語力も問われます。
海外にいると日本語を「書く」機会がすくないので、5W1Hや「てにをは」を意識しながら日記を書いたり、日本の小学生と同じように毎日漢字の書き取りや教科書の音読をしたり、読書をしたりして日本語力の維持を図ることはとても重要です。
日本の歳時に関わることやモノについては、映像を見せるのが効果的な場合もあります。
国語学習法については( ※帰国生あるある「国語編」リンク )でご紹介しています。ぜひそちらもご覧ください。